動物忌避剤の使用
どこに設置するかでその効果は大きく変わってきます。
人の身近にいる害虫・害獣など有害動物による被害は、人への直接的な被害や 伝染病の伝播、農作物の食害など広範囲に及びます。 これら有害動物に対する被害を防止するには、それらを物理的・化学的に 直接殺すことにより駆除する手段がとられてきましたが、近年では動物愛護や 生命倫理の観点から規制され、むやみに殺すことが難しい状況になってきました。 そのため有害動物からの被害を最小限度にする手段として、動物を殺すことなく 忌避させる方法として動物忌避剤が使用されるようになりました。 しかし動物忌避剤は短期間なら有効でも、学習や慣れなどにより効果を 消失することも多いのが難点です。 長い目で見ると、有害動物の住みにくい環境を作るなど総合的な対策を 組み入れることが提唱されています。 動物忌避剤の使用においては、事前に被害の実態や生息環境の調査して、 どこでどのタイミングで忌避剤を使用するかを検討することが望まれます。 また営巣材料や糞などを取り除くことも、忌避効果を最大限に発揮するためには 重要となります。 使用後にもどのような効果があったかを調査することで、忌避効果の有無 について評価をすることができます。 害虫を対象とした忌避による防除は、対象となる昆虫が発生し易い場所、 集まり易い場所に忌避剤を設置するのが基本です。 現在使用されている忌避剤の多くは植物由来の抽出物、もしくはその抽出物の 精製によって得られた有効成分を主体とするものですが、 その作用は有効成分の蒸散により気体分子となった成分による対象害虫の生理、 生化学的撹乱作用により忌避する仕組みになっています。 これは設置場所の環境によって効果も左右されることになり、特に温度や照度は 忌避効果を左右する要因となりますので、どこに設置するかはしっかりと 検討する必要があります。 また忌避剤の使用と平行して、水周り等を清潔に保つなど使用環境を見直す ことも重要となります。